高齢者に見られる感染症

高齢者は加齢に伴って、感染に対する抵抗力が弱くなっており、高齢者が集団で生活する高齢者介護施設などは、感染が広がりやすい環境です。

高齢者介護施設において留意すべき感染症には、職員も発症し、集団感染が起こり得る感染症、高齢者など、抵抗力の低下している人がかかりやすい感染症、血液や体液を介して感染する感染症があります。

インフルエンザ

インフルエンザの特徴

インフルエンザウイルスに感染することで起こり、インフルエンザウイルスはA型、B型、C型があります。

インフルエンザの症状

38度以上の高熱、全身倦怠感(全身がだるい、しんどい)、頭痛、関節痛、筋肉痛の症状が急速に現れ、鼻水、鼻閉、咳、くしゃみ、咽頭痛などの風邪の症状を伴います。B型の場合は、下痢、嘔吐、吐き気などの胃腸症状がみられることがあります。

急に高熱がみられ、全身のだるさや関節痛などの全身症状がみられること、高齢者では肺炎を伴うなど重症化することがある点が普通の風邪とは異なります。

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎の特徴

細菌やウイルスなどの感染により、主に嘔吐・下痢の症状がみられます。日本では、ノロウイルスとロタウイルスによる胃腸炎がよくみられ、ノロウイルスは秋から冬にかけて、ロタウイルスは3~5月に流行がみられます。

その他、アデノウイルスやエンテロウイルス、細菌が原因となることもあります。

感染性胃腸炎の症状

嘔吐と下痢を主な症状として、脱水、電解質喪失症状など、全身症状がみられます。

症状の現れ方や程度は個人によって異なります。※1 電解質喪失症状:ナトリウムやカリウムなどの電解質が失われ、頭痛、昏迷、錯乱、嘔吐、下痢などの全身症状がみられます。

腸管出血性大腸菌感染症

腸管出血性大腸菌感染症の特徴

ベロ毒素を作り出す大腸菌に汚染された食べ物を摂取することで起こり、日本では原因菌としてO157が多くみられます。

腸管出血性大腸菌感染症の症状

下痢(軽度~頻回の水様便)、腹痛、発熱、血便、発熱(多くは37度台)などがみられます。下痢や腹痛のどちらかのみがみられるときもあれば、両方伴う時もあり、程度も様々です。溶血性尿毒症症候群や脳症などの重篤な合併症を伴うこともあります。

痂皮型疥癬(かひがたかいせん)

痂皮型疥癬の特徴

100~200万匹のヒゼンダニが皮膚の角質層に寄生して、皮膚どうしの接触や布団などの寝具を介して感染します。

痂皮型疥癬の症状

全身の皮膚や爪に分厚く白っぽいかさぶたができ、かゆみが出ます。

結核

結核の特徴

結核菌群が気道を介して飛沫感染することで起こります。感染して発病するのは約30%ですが、感染すると数週間で発病することもあれば、数年経過してから発病することもあり、生涯にわたって発病の可能性があります。

高齢者の場合は、加齢に伴う抵抗力の低下によってすでに結核菌に感染している人の発病や、再感染することによる発病が多くみられます。

治療の副作用や合併症の影響で治療が十分に行えないことも多く、また、疾患を合併して重症化することもあり、高齢者の死亡率は高くなります。

結核の症状

初期は無症状で経過し、咳、痰が出る、微熱が典型的な症状で、胸の痛み、呼吸困難、血の混じった痰が出る、全身倦怠感、食欲不振などがみられることもあります。

フットケアの菊地さんより

高齢者は体力や免疫力が弱くなっていますので感染症に勝つために日ごろから強い身体を作っていきましょう。

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