フットケアの菊地さんより 横アーチ編
「横アーチ」は、足の3つのアーチの一つで、足の前側に位置し、内側縦アーチや外側縦アーチとともに足全体の機能を支える重要な構造です。足のアーチは、歩行や走行の際に衝撃を吸収し、バランスを保ちながら体重を効率的に分散する役割を果たしています。横アーチの崩れは、足の痛みや姿勢不良、全身の不調を引き起こすことがあります。
目次
横アーチの構造
横アーチは、足の前方、特に中足骨と呼ばれる骨で形成されています。具体的には、第1中足骨から第5中足骨にかけて弧を描くようにして存在し、足の横方向にかかる負荷を支えています。
- 第1中足骨(親指側)
- 第5中足骨(小指側)
横アーチは、この骨の並びによって形成され、内側から外側にかけて緩やかにカーブしています。足の前半部分の骨の並びが、しっかりと衝撃を吸収し、歩行時の安定性を提供します。
横アーチの役割
1. 体重の分散
横アーチは、足の前方にかかる体重を分散する役割を果たしています。特に立っているときや歩いているとき、横アーチがしっかり機能していると、足の前方全体で体重が均等に分散され、特定の部分に負担が集中しないようになっています。
2. 衝撃吸収
歩行や走行時、足が地面に接触する際の衝撃を吸収し、足の他の部分や膝、腰に負担がかからないようにします。横アーチが機能していることで、足の前部が衝撃を和らげ、痛みやケガのリスクを減少させます。
3. 足のバランスと安定性
横アーチが正常であれば、足の前側のバランスが保たれ、足の安定性が高まります。これにより、足全体がしっかりと機能し、スムーズな歩行や走行が可能になります。
横アーチの崩れによる問題
1. 開張足(かいちょうそく)
横アーチが崩れ、平らになってしまう状態を「開張足」といいます。これにより、足の前方に過度な圧力がかかり、特に中足骨の付け根部分が痛みやすくなります。開張足は、長時間立ったり歩いたりすると疲れやすく、痛みを感じることが多いです。
- 症状:足の前部分の痛み、疲労感、足裏のタコや魚の目、外反母趾の発生が増えることがあります。
2. 足の疲れや痛み
横アーチが崩れると、足の前側に不均等な圧力がかかり、足全体が疲れやすくなります。特に歩行や長時間の立ち仕事などでは、足の痛みや疲労感が著しくなり、足底筋膜炎などの他の問題も引き起こしやすくなります。
3. 外反母趾や内反小趾
横アーチが崩れると、足の指に負担がかかりやすくなります。その結果、親指が内側に曲がる「外反母趾」や、小指が内側に曲がる「内反小趾」が生じやすくなります。これらの症状は、特に女性や足に合わない靴を履く人に多く見られます。
4. モートン病
開張足や横アーチの崩れが進行すると、中足骨間で神経が圧迫される「モートン病(Morton’s Neuroma)」を引き起こすことがあります。これにより、足の前側にしびれや痛み、灼熱感が生じることがあります。
横アーチを保つための対策
1. 適切な靴の選び方
横アーチをサポートする靴を選ぶことが重要です。足の前方部分に十分なスペースがある靴や、アーチサポートが付いている靴を選ぶことで、足への負担を軽減し、横アーチを正しく保つことができます。
2. インソールの使用
アーチサポートの付いたインソールや、横アーチを補助する専用のパッドを使うことで、横アーチの崩れを防ぎ、足の前方にかかる負担を軽減することができます。特に、開張足の人や長時間立ち仕事をする人には、インソールが効果的です。
3. 足の筋力トレーニング
足のアーチを支える筋肉を強化することで、横アーチを健康に保つことができます。足の指でタオルを掴んだり、足指でマッサージボールを転がすようなエクササイズが効果的です。
4. ストレッチ
足の柔軟性を保つために、足の指やアキレス腱、ふくらはぎを定期的にストレッチすることが重要です。これにより、足の筋肉や靭帯が柔軟になり、横アーチの機能をサポートします。
5. 足の休息
長時間の立ち仕事や歩行の後は、足を休ませることが重要です。足を高く上げたり、マッサージを行ったりすることで、疲労回復を助け、横アーチにかかる負担を軽減します。
フットケアの菊地さんより
横アーチは足の前側にある重要なアーチで、体重の分散や衝撃吸収、足の安定性に大きく貢献しています。横アーチが崩れると、開張足や外反母趾、モートン病などの問題が生じる可能性があり、日常生活やスポーツに悪影響を与えることがあります。適切な靴の選び方やインソールの使用、足の筋力トレーニングを行うことで、横アーチを健康に保ち、足全体の機能を維持することが大切です。
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